ミスター・アートのコンサート&CDレビュー♪
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 Review No.005  for Concert
 2005.11.27 18:30  Aichi Arts Center - Concert Hall, Nagoya
 Nanzan University Orchestra - Yuki Kato - Hideomi Kuroiwa
 Subscription Concert No.82                       Mika Ohi, organ
アーティスト:  黒岩英臣指揮 南山大学管弦楽団   加藤有希(学生指揮*) 大井美佳(オルガン)
演奏会場:  愛知県芸術劇場 コンサートホール
プログラム前半:  ボロディン作曲 歌劇「イーゴリ公」序曲*  ベートーヴェン作曲 交響曲第1番ハ長調 op.21
プログラム後半:  サン・サーンス作曲 交響曲第3番ハ短調 op.78 「オルガン付」
アンコール曲:  ドヴォルザーク作曲 スラブ舞曲 op.72-No.1 H-dur
南山大学管弦楽団(第78回定期演奏会)<学生オケを聴いてみたら‥>
学生オーケストラの切符をいただき、サン・サーンスの3番がプログラムにあるということで、SINFONAIRの管理人をお誘いし、南山大学管弦楽団の演奏会に行ってきました。音楽を専門としてない普通の大学のアマチュアオーケストラということと20数年前に聴いた時の芳しくない演奏レベルから、あまり期待してなかったのが本音です。当然、プロのオーケストラの演奏会とは雰囲気が少し違っていて、席は立見が出るほどでしたが、若い人(とくに女性)が多かったように思います。

<力量を超えた音楽を奏でた「イーゴリ公」序曲>

最初の曲はボロディンの歌劇「イーゴリ公」序曲で、あまりポピュラーとは言えない曲ですが、アマチュアオケのプログラムにはよく載るようです。「だったん人の踊り」のようなオリエンタルな雰囲気はありませんが、彼が亡くなり、未完だったものをR.コルサコフとグラズノフが補筆し、ボロディンらしい旋律を聴くことができます。金管、特にトランペットが活躍する曲ですが、アマチュアには少ししんどかったようです。はっきり言って技術的にはプロオーケストラとは雲泥の差があります。しかし女子学生(後でプログラムを見て判明)の指揮者とオケのメンバーが一生懸命奏でる音楽には、技術云々を超えたプロオーケストラとは違った魅力を感じました。

<元気溌剌たるベートーヴェン第1交響曲の演奏>

2曲目はベートーヴェンの最初の交響曲ですが、既にピアノ協奏曲第3番を作曲しており、ベートーヴェンが満を持して、交響曲のジャンルに挑んだ意欲作でもあります。ハイドンやモーツァルトの影響が感じられるとは言っても、この曲には特有の溌剌さと力強さが満ち溢れています。それを十二分に感じさせる演奏だったと思います。第1楽章の短い序奏から、第2楽章の第2ヴァイオリンによる第1主題、そして第4楽章の急速なアレグロまで、柔らかな響きで見事に揃った弦楽器の合奏力には驚きました。それに大変元気な女性ティンパニストが楽しそうに叩いているのが印象に残りました。南山大学

<盛り上がったサン・サーンスの第3交響曲>

そしてメインプログラムのサン・サーンスの第3シンフォニーは、金管の活躍する場面が多く出てくることから、前半のプログラムの技術から推察すると、かなり不安がありました。ふたを開けてみれば、弦楽器が前半のプログラムで聴かせた見事な合奏力を持続し、第1楽章第2部のオルガンを背景に瞑想的な美しい旋律を奏す黒岩英臣るところなどはうっとりしました。木管と金管も吹き損ないこそありましたが、大崩れすることなく何とか持ちこたえたと思います。第2楽章第2部は指揮者の黒岩さんのタクトの下、曲が進むにつれ、大きな盛り上がりを示し、壮麗なフィナーレへ‥。オルガンは輝かしく響きわたり、オーケストラとのバランスも絶妙でした。中でも女性ティンパニストが存在感を示し、芯のある音で聴かせました。アンコールはドヴォルザークのスラブ舞曲。弦楽器は繊細で、最後はティンパニーがバシッと決めて有終の美を飾りました。

<脈々と引き継がれる大学オケの想い>

後からこの大学オケの演奏会記録をHPで見てみたのですが、1980〜4年にかけて客演に山本直純、小林研一郎、大友直人、大野和士と、そうそうたる指揮者を招いており、当時、招聘した方の彗眼には脱帽!こうした伝統、経験が脈々と続いて、今回の見事な演奏に繋がったのかもしれません。今回の演奏会で感じたのは、有名な一流の演奏家ではなく、音楽を専門としない人たちでも、指導者に恵まれ、引き継がれてきたオケの想いにより、聴き手を感動させることができるということです。(2005.12.08 UP)
南山大学 南山大学管弦楽団 黒岩英臣 プロフィール
 
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